雲井窯・黒楽御飯鍋(2007.3)

    お料理の最後にお出しする御飯は、旬菜 蔵が一番自信を持ってお出しする料理です。
蔵の顔といってもいいでしょう。
この御飯鍋は、「雲井窯・黒楽御飯鍋」*といいます。(*くもいがま・くろらくごはんなべ)
知る人ぞ知る鍋です。日本六古窯のひとつでもある「雲井窯」は、日本料理に通じておられる方ならどなたでもご存知だと思います。
雲井窯は文久元年(1861年)創業以来140年余り続く老舗で、皇室やお茶の家元などの御用窯でもあり、現在の5代目当主、中川一辺陶氏が家庭でも料亭と同じ味わいの御飯が炊けるように作られたのがこの黒楽御飯鍋です。
選び抜いた土を丹念に練り、伝え続けた技法によってとびきりのおいしさを生み出す”呼吸するお鍋”をひとつひとつ手作りしています。
京都・東京の指折りの料亭で使われている土鍋の大半は、この窯で作られており、のれんを守る料亭や、味にきびしいホテルの和食を支え続けているのがこの雲井窯です。
つややかに仕上がった鍋は、深さがあり、鍋底から全体にしっかりとした厚みがあり、高火度焼成で焼かれています。
一般に土鍋は強火にむかない、といわれますが、それでは、おいしい御飯は炊けません。土鍋の常識に反し、この鍋は、最初からガスレンジの強火にかけられます。御飯がおいしく炊ける秘訣(けつ)は、米を対流させ、じっくりと熱が伝わるよう考えられた深さと厚い底。炊きはじめて10分ほど経つとぶくぶくと沸騰し、30分ほどでつやつやの御飯が炊きあがります。おコゲも絶品で、ふたをあける瞬間が待ち遠しくなるお鍋です。
   

↑ページTOPに戻る