産地再発見

蔵の産地再発見-島根県太田市

蔵の産地再発見-島根県大田市 大自然「三瓶山(さんべさん)」を望み、そして世界遺産「石見銀山」。 日本海の荒波「一日漁」の魚は新鮮。食材豊かな大田市。 「原木舞茸」・「そば」・「新米」・「ワイン」・「白ねぎ」・「柿」・「穴子」 美味しい旅となりました。

2019年10月12日

産地再発見-「フードバレーはつかいち」-

-廿日市市を縦断する食産業「フードバレーはつかいち」の創出-

今回は廿日市市野菜流通の松本緋沙恵さんの案内で、蔵スタッフ7名参加で産地をめぐりました。廿日市市は平地産業から高原まで標高差を生かした農業が特徴です。
例えば、「ほうれん草」。高知吉和では夏でも出荷。1年中ほうれん草を味わえます。そして今、廿日市市では30~40代の若手農家ががんばっています。
蔵より5分、山本農園、夏は丸いオクラ、冬はいちご。ブランド「はつかいちご」は上品な味わい。
とくながバラ園、廿日市市はバラの生産量広島県一位。特別な技術で育てた小ぶりのバラは人気が高い。
蔵より30分、佐伯地区、満月農園。じゃがいも、茄子、きゅうりなど、特にじゃがいもはポテトチップスに、味付け塩のみ、体にやさしいじゃやがいもです。
山本農園、お米が主ですが、冬はじねんじょ、山芋、里芋、夏はさつま芋。「芋名人」です。
前川農園、女性ががんばっています。もち米をもちに。昔ながらの石碓です。畑楽ファーム、入植農家です。夏はスイートコーン、冬はいちご、面積が広いです。
阿部農園、「佐伯大長茄子」で茄子そーめん、茄子のかば焼き丼いかがでしょうか。
現場へ行き、生産者の声を聞き、料理に生かす。自然の恵み生産者の思いを一皿に。

2016年08月13日

産地再発見-島根県へ行ってきました-

「蔵の産地再発見」 産地勉強会

10月の終わりに、食材の生産者の方々を訪ねました。
蔵で働く中の総勢8人が参加、島根県広島事務所の青戸さんに案内していただきました。

最初に訪れたのは、島根県飯石郡飯南町にある「赤来高原観光りんご園」です。
緑の木々の中に枝もたわわに実っている赤いりんご。とってもかわいくて、そしてとっても美味しそうに育っていました。
こちらでは、現在9月~11月初旬にかけて、9種類のりんごが収穫されているそうです。
リンゴ園を見学したあとは、当店でお客様へお出ししている、りんごジュースなど、加工品を作る加工場を見学させていただきました。ジュースが出来るまでの工程で使用される洗浄機や圧搾機や火入れで使用される大きな大きな釜など普段なかなか見る事の出来ないものも見させていただきました。そして「ふじ」と「王林」の試食。その美味しかったこと!
当店では、りんごジュースに加え11月メニューの前菜と小鉢には、大切に育てられたこちらのりんごをお出ししています。さらに、焼き物には、こちらで収穫されている落花生もお出ししています。どちらもとっても美味しいですので、是非ご賞味ください。

二軒目に訪れたのは、松江市上乃木の丘の上に佇むフランス料理店「ムーランドール」
こちらでランチをいただきました。
クラシカルで上品な店内にはゆっくりとした時間が流れているようで、とても落ちついた雰囲気です。
そしてお料理はもちろんのこと、こちらで接客をされている前田 巻さんがまた素晴らしい方なのです。聞けば、近くの学校などでも講師として接客やマナーなどを教えられてる方だそうで、お客様との接し方やお料理をお出しする作法など、私たちにとっても大変勉強になりました。
お料理についてですが、コースのオードヴルでいただいたソーセージは、宍道湖の七珍と呼ばれるスズキをベースに野菜を入れたソーセージで、シェフがずっと時間をかけて研究され、作られているソーセージなのです。
ふんわりとした口当たりでシェフの愛情が注がれたとても優しい美味しさでした!
程よく温められた美味しい自家製パンに続き、かぼちゃスープ。メインのお肉か魚介料理には風味豊かなソースが添えられ、デザートにはなんとも濃厚なチョコレートのケーキ。しばらく美味しい余韻に浸りながら三軒目に向けて出発です。

三軒目に訪れたのは、松江城にほど近い松江市黒田町に有る「地ビール館」です。
こちらでは、ビール工場の見学をさせていただきました。
島根ビール株式会社 矢野社長には、ビール造りに欠かせないホップなどの原料を見せていただいたり、造る工程のお話しを詳しくうかがいながら、とても大きな貯蔵タンクを拝見したり、試飲させてもらうなど、大変貴重なお時間を頂戴しました。
大切なホップや酵母のお話、また温度管理の大切さ、貯蔵タンクの中で活動中の酵母にも種類が有り、上面のエール酵母は香りが華やかで味もあり、下面のラガー酵母は香り穏やかでスッキリして大人しい・・・そして、大人しいビールほど造ることにも時間がかかることなど普段知り得ないお話もたくさんうかがうことが出来て大変勉強になりました。
11月より松江地ビールを当店でも皆様に飲んでいただけるようになっております。
当店のお料理に合わせて是非ご賞味ください。

いよいよ最終の四軒目になりましたが、出雲市斐川町出西地区でしか育たないと言われている幻の出西生姜を栽培されている「出西生姜組合 代表の永戸さん」を訪ねました。
伺った時、畑ではたくさんの方が来年のために種取りという作業をされていました。この作業ももう少し先になりますと、寒さで種にならなくなるのだそうです。
出西生姜は、普通の生姜に比べて繊維が細く、やわらかな食感です。そして爽やかで上品な香りと、ピリッとした強い辛味が絶品のきれいな白色をした美しい生姜です。
生姜の辛味の成分である、ジンゲロールとショウガオールは血行促進作用や代謝機能の向上作用、二日酔いや乗り物酔いの抑制効果に加え、殺菌作用や抗酸化作用をもつ優れものです。そして特に出西生姜はその効能が強く凝縮されているそうです。
当店では、11月メニューの炊き込みご飯とデザートに添えている焼き菓子が出西生姜クッキーになっております。
どちらもとっても美味しく体も温まります。
貴重な出西生姜をこの機会に是非ご賞味ください。

2015年11月14日

蔵の産地再発見 「皐月鱒(サツキマス)」

蔵の産地再発見
「皐月鱒(サツキマス)」 -伊藤順二郎
万古渓養魚観光株式会社 廿日市市所山

蔵より車で40分、西中国山地へ。山深い細道を進み、万古渓へ。民家はありません。川の水は年中冷たく、とっても綺麗。西中国山地からの養分たっぷりの水の中、魚たちはのびのびと養殖されています。まるで仙人のような伊藤社長が笑顔で迎えてくださいました。
伊藤社長は、20代前半、九州で設計の仕事をしていました。そして、その頃都会生活に行き詰まり、田舎の生活にあこがれていました。広島で仕事をしていた兄を伝手に万古渓と出逢いました。
そして九州の仕事はやめ、万古渓で川魚の養殖の道へ修行が始まりました。それから25年、ヤマメ、アマゴ、虹マスの養殖が軌道に乗り、新たにチャレンジしたのが、「サツキマス」でした。
サツキマスは、日本の固有種、サケ科に属し、自然界では5月(皐月)に海から川へ、10月~12月に源流部まで遡上し産卵します。このサツキマスを養殖します。万古渓から海へ。海水で1年。そして海から万古渓へ、淡水と海水。塩分濃度を少しずつ変えて、サツキマスの魚体を淡水に慣らしていく。この慣らしの塩分濃度がたいへん難しく、失敗の山が19年も続きました。そしてやっと今年、光がさしました。夢が叶いました。
45年間の川魚養殖人生。サツキマスの夢を追い続けて20年。その味は?
身はキレイなサーモンオレンジ。川魚にはない上品な脂がのり、食感、旨味、上々です。刺身、炙り、寿司など生食が一番です。低温でのソテー、あらで味噌汁、炊き込みごはん、酢じめ、昆布じめなど、料理の幅は広い。
来年は生産量を増やし、廿日市市の特産品として、全国へピーアール。廿日市市の信頼のおける料理店のみ出荷するそうです。蔵では夏の暑さには弱い魚であるため、秋、涼しくなる頃入荷予定です。
伊藤社長の20年の夢魚。「サツキマス」秋にぜひ蔵で食してください。
20年の感動の味わいです。


2014年08月09日

蔵の産地再発見 「宝箱」

農業生産法人 有限会社 宝箱
島根県松江市大庭町728-6
TEL(0852)21-1489

松江市の南、国宝社殿の神魂神社と縁結びの八重垣神社にまもられた古く歴史のある大庭空山。
山頂からは宍道湖と中海を一望できます。
そんな空山のお茶と柿とブルーベリー等は自家製の植物性堆肥でいろんな生き物と一緒に元気に育っています。
空山の畑は命の根がたくさんつまった「いのちの宝箱」なのです。
~ 宝箱 パンフレットより ~

当店でお出ししているノンアルコール梅酒「雪梅」や紅茶や干し大根、そして冬季にはあんぽ柿・・・
美味しい商品を作られている「宝箱」を見学しにはるばる島根県松江市まで行ってきました。
「宝箱」代表の松浦さんは、松浦造園株式会社を営む傍らで、「宝箱」を設立され、科学品を使わない安心安全で人にも環境にも優しい無添加商品の生産に力を注がれています。
食の本当の豊かさを求めて有機栽培を始められたのです。
「畑はいのちの宝箱」をコンセプトに、土作りから生産・加工・出荷に至るまで一貫してご自分たちでされるなど、決して簡単には出来ることではありません。
松江市近郊からあつまった剪定屑や、伐採材に糖とおからをまぜてつくった植物性堆肥を作ります。
そしてこの堆肥を使うと土の中の微生物がよく働くことで病原菌や害虫にも負けない強い作物になり、昔ながらの甘味やうまみのあるお茶や野菜が出来るのだそうです。
見学させていただいた茶畑や柿畑の葉は、本当にツヤツヤでピカピカで見るからに元気な葉をしていました。

当店でお出ししているノンアルコール梅酒「雪梅」は、宝箱が生産している無農薬の梅を雪柳緑葉エキスと氷砂糖で漬け込まれたものです。
雪柳の緑葉から偶然に生まれた水溶性100%の自然発酵熟成エキスには天然栄養素の他、ポリフェノールもたくさん含まれています。
ご来店の際にはどうぞご賞味くださいませ。

次は、ひとつひとつ手作業でつくられたふっくらと柔らかい「あんぽ柿」です。
土づくりからこだわって育てられた宝箱の西条柿は糖度も高く、「あんぽ柿」も最高です。
甘味がギューッと凝縮されていて口に含むと思わず笑顔になるような本当に美味しいあんぽ柿です。
夕日のようにあたたかくきれいな色をした「あんぽ柿」。
ビタミンA・ビタミンC・カリウム・食物繊維などの栄養素も豊富に含んでいます。
冬季には当店でもお出ししていますのでお楽しみに・・・。

最後に有機JAS認証のお茶です。
宝箱では、一番茶⇒煎茶 二番茶⇒紅茶 三番茶⇒摘まない 四番茶⇒番茶 として製茶・販売をされています。
今回茶畑に続き、製茶工場も見学させていただきました。
製茶工場は煎茶、紅茶、番茶の部屋それぞれがちがうすばらしい香りで癒されました。
想像以上の製茶工場の規模の大きさに驚きました。
この日飲ませていただいた新茶(煎茶)の美味しかったこと!
香りもよく味には甘味と深みがあり、最高でした。
二年ものの有機紅茶もとても美味しくいただきました。
当店では、有機紅茶をメニューの中に入れています。
こちらも美味しい紅茶ですので、ご来店の際にはどうぞご賞味下さいませ。

松浦さんにはとてもお忙しい中、たくさんの時間を割いてご案内とご説明をいただきました。
地域を想い、根ざして活動されていること、食の本当の豊かさを求めて日々頑張っていらっしゃることがヒシヒシと伝わってきました。
良い時間をいただきました。

2014年07月12日

蔵の産地再発見 「島根県隠岐の島」

隠岐の島は、昨年「ジオパーク」としてユネスコにより世界認定されました。科学的に見て重要で美しい地質である特に隠岐西ノ島町は自然が厳しく、国賀海岸は高い木がなく草原が広がり、断崖絶壁、馬、牛が放牧され、夏は緑のジュータンが美しい。
蔵より山陽道・松江線で島根県七類港まで約3時間30分、七類港より大型フェリーで約2時間、この日はあいにくの悪天候、フェリーは天候回復待ち。朝5時に蔵を出発、隠岐の島海士町着15時。荒波でフェリーは波をかぶりながらの大揺れ、最悪の航海でした。海士(あま)町のキャッチフレーズは「ないものはない」自然は豊かで食材はとても豊富。それと島全体が6次産業化されています。雇用が生まれ、過疎の島は今、人口は増えています。
岩がき、いか、さざえ、あわび、松葉ガニ、ひらめ、おこぜ、のり、もずく、あらめなど海産物は日本海の荒波と大自然で育ち、食感と旨味は最高です。農産物では、広島の大崎上島より栽培技術を受けた「みかん」甘酸っぱいみかん、瀬戸内産と違い、たくましいみかんです。島育ちの米で仕込んだ日本酒はさっぱり辛口。試飲会では、海士副町長、島根県広島事務所所長も参加。特に、岩がき、白いかは最高においしかったです。
蔵では毎月、隠岐の島より、素材を仕入れております。ぜひ蔵で大自然、隠岐の島を御賞味ください。

2014年02月19日

産地再発見 -「きのこ」-廿日市市玖島 福寿苑 迫田健児

蔵より30分、廿日市市玖島。山に包まれ、小川が流れ、6月にはほたるが舞い、7月にはかぶと虫が飛び回る、自然豊かな場所に福寿苑があります。
「椎茸」は年中「なめこ」「ひら茸」は春と秋、そして6月、今からは「木耳(きくらげ)」シーズンを迎えます。乾燥木耳はよく見かけますが、生の木耳はめずらしいです。生木耳はやわらかさ、歯ごたえ、独特のうまさが感動です。
迫田さんは長年内装の仕事をやってこられました。我が家もやっていただき、腕は確かです。農業が大好きでいつかは椎茸造りに挑戦したいという思いで勉強され、6年前より本格的に栽培。今では飲食店、産直市場、学校給食にも出荷。味、質ともにお墨付きです。きのこ栽培は休みがありません。毎日毎日成長します。食べ頃で出荷するには目が放せません。迫田さんの椎茸は原木栽培の椎茸に負けない食感とうま味。
今月蔵では、木耳は白和えに、椎茸は煮付けで登場。迫田さんの努力の結晶「木耳」「椎茸」ぜひお召し上がりください。

2013年06月07日

宮島再発見 -「すぐそこに世界遺産」-

蔵より宮島口まで車で15分、宮島口よりファリーに乗ると、大鳥居、五重の塔など、平安時代の建造物が美しく目に映ります。
宮島は徒歩でのんびりと。まずは、世界遺産、弥山原始林の中を頂上まで、宮島ロープウェーで。標高は535メートル、瀬戸内海の島々を船が行きかう絶景が広がります。
宮島水族館は、2011年にリニューアル。
宮島ならではの独自性を前面に出した水族館です。
たとえば「牡蠣」の養殖の様子が見られる水槽や、水中で立って泳ぐ「タチウオ」の様子が眺められる水槽もあり、たいへん面白い。
そして、お泊りは、ぜひ、宮島のシンボルである、大鳥居の見える宿「錦水館」へ。総料理長、岡垣内泉が造る料理は、宮島がいっぱいです。天然温泉もあります。
蔵から近い宮島。ぜひお立ち寄りください。

2013年04月08日

旬の素材めぐり -島根県-

「自然放牧牛乳」
シックス・プロデュース(有) 洲濱正明
島根県邑智郡邑南町

そこには牛舎がありません。1年365日すべての日を外で暮らしています。主食は、野山の草。そろそろ新芽の季節。四季の草がそのまま牛乳の味となります。旬の牛乳です。そして、63℃、30分の低温殺菌で成分を壊さないノンホモ製法。栄養分を壊しません。牛乳を飲むとおなかが、、、という方、ノンホモ製法牛乳は、だいじょうぶです。
まさに大自然の恵み「自然放牧牛乳」
今月は、アイスクリームで登場します。

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「たらの芽」
農業組合法人「豊郷(とよさと)」代表理事組合長 北條義洋
益田市横田
清流日本一の高津川の恵みを受けて、たらの芽畑が広がります。たらの芽栽培は、まさに職人技。
12月~3月まで、トゲトゲのたらの芽の木と休みなく戦います。北條さんが栽培した「たらの芽」は、特有の香味、ほろにがさがたまりません。
今月、蔵の「お椀」の主役は、北條さんの努力の結晶の「たらの芽」です。
一味違います。

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「こごみ、うるい、わさび」
KGM48 冨田智
鹿足郡津和野町
中国山脈の山里、標高500m。ここに数少ない「こごみ、うるい、わさび」のがんこな生産者、冨田さんの畑が広がります。大自然の息吹、ポリフェノールいっぱいの「こごみ」、あくが少なく特有の香りが魅力。
山深いきびしい条件で育った風味豊かな渓流わさびは、厳しい冬を耐えて2年。長い時間をかけて成長。粘り、香り、最高です。
この時期、こごみは毎日400パック出荷。冨田さんの手はボロボロでした。冨田さんのこだわりの結晶「こごみ」は今月、蔵では前菜へ、「うるい」は蒸物へ。
大切に味わって食べてください。

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「柚子」
(株)みと 工場長 椋木真司
益田市美都町
美都町は「柚子」の町。生産農家120戸、手塩にかけた柚子は、生産から加工まで町をあげて年中出荷しています。中でも、柚子果汁はこだわり絞り。雑味がなく最高の味わい。当店、蔵の柚子ポン酢がおいしいわけは、みとの柚子を使っているからです。
柚子の木はトゲだらけ。収穫時には手はボロボロになるそうです。その他、木の選定、下草刈り、害虫など、年中目は離せません。加工品もドレッシング、ジュース、みそ、クッキー、マーマレードなど、たくさんあります。
ぜひ、(株)みとの柚子加工品を。


今回の産地めぐりでは、島根県広島事務所の田中さん、若槻さん。美都町経済課の加藤さん、板井さん。JA西いわみの鳥山さんに大変お世話になりました。ありがとうございました。そして、昼食をいただいた「田吾作」の「活イカ丼」(1600円) (益田市赤城町10-3 Tel 0856-22-3022) は最高でした。


2013年03月09日

蔵の産地再発見 「鉄」-鍛冶屋 岡本友紀(廿日市市上平良)

打ち水をした石段を上がる。「蔵」の玄関のあわい光。岡本友紀作、鉄の明りです。
鉄工芸家、「光村孝治」のもとで9年間修行。
鉄の世界は体力。女性としての限界に悩んだ。
普通の会社員時代よく通ったカフェのマスターが光村さんだった。
個性的なインテリア。なかでも鉄のライトに魅了された。「長い時間を重ねたときに、古びて味が出る。そんなモノ作りができたら」
光村さんに弟子入りを頼むが「女には無理」のひと言。通いつめてやっと9ヶ月後に望みがかなったが、仕事は生易しいものではなかった。
「感性の人だから口数は少なかったけど、鉄だけでなく、いろんなものを教えてもらいました。間近で見て、物の見方や感じ方、人としても大事なことを」
光村さんの存在はそれ程大きかった。
岡本さんの代表作品は、広島そごう横「パセーラ」。
パセーラのロゴ、玄関広場、エスカレーター横、店舗の看板など、「鉄」はすべて岡本さんの作品、5ヶ月間集中して作品造に。
感動のパセーラです。新しくなったJR博多駅、屋上の「いす」など。
NHK。テレビコマーシャルにも出演。
日本を代表する女性鉄工芸家である。
作品展は東京のみ。
工房は廿日市市上平良、光井さん宅の蔵を永本建設さんが改装。最高の環境で作品造り。作品には女性らしい気持ちが織り込まれている。岡本さん自身も、鍛冶屋のイメージからほど遠いおしゃれな女性です。
「鉄」の世界に魅了されて17年。
女性の限界と戦いながら、今日も鉄を打ち続ける。鉄の温かさを伝える為に。そして光村孝治の意志を継ぐ者として。

2013年01月24日