第8回 『はなれ 味重』


~北の大地、北海道より~『こだわりの料理人生に感動』
『はなれ 味重(日本料理)』 松原滋美

ここは、北の大地、北海道は「札幌すすきの」。
私は大学が北海道でした。そして、私の料理人生が始まったのも北海道。感動の食材があふれる北海道は、私の料理の原点でもあります。
そして、私の妻は、北海道出身という事もありまして、年に一度は北海道を訪れます。
すすきのは、JR札幌駅よりタクシー又は、地下鉄で5~10分、北海道で一番にぎやかな町です。
この地に店を構えて23年。昨年2号店となるはなれ味重をオープンされました。ご主人は、少年時代から料理好き、もちろん北海道出身です。東京で修行され日本料理一筋に精進されています。
お店はカウンター6席、座敷6席の小さなお店です。夜のみおまかせ懐石のみ、8,000円からです。予約制です。お席はぜひカウンターで。御主人と美人のお弟子さんが笑顔で迎えてくださいます。御主人、見た目は恐そうですが、とってもやさしいので、会話もはずみます。料理は北海道の食材を中心に全国からよりすぐりの旬の食材を仕入れて料理します。料理は、素材そのものを食す料理が多いですが、手のこんだ創作的な料理まで、和を壊さない幅広い料理です。盛り付けもとてもきれいで、器のセンスも良いです。私はお椀が大好きです。季節の素材が具となり、上質のおだしでいただく。ホッとする一瞬です。
この日のお椀は、鱧でした。おいしくいただきました。その他にも、のどくろのにぎり寿しは脂がのって最高でした。めずらしい、きんきのお刺身。ぼたん海老活烏賊、鮮度が良くおいしかったです。北海道産の松茸までいただいて、ひと足早い秋も感じさせていただきました。
何よりすごいのが、お客様の好みによって、献立を変えるところです。私の場合、刺身好きで、特に活烏賊が好きなので、刺身多め、活烏賊多めにしてくださいます。そして、私は料理人なので、勉強の為にと私のあつかった事がないようなめずらしい素材を使ってくださいます、
常連のお客様の好みは頭に入っているそうです。ですから、仕込みにもたいへん時間をかけておられます。御主人のこだわりは「身を削り、人につくさないと、本当の料理の味は生まれてこない」命をかけた料理人生です。現に数年前に過労で倒れ、入院手術されたそうです。
献立は、すべて御主人の手書きです。とても美しい字です。こんな御主人が造る料理は、やっぱりすごいです。幸せの味がします。ぜひみなさん、北海道に行かれたときには、観光的な食事も良いですが、こだわりの料理人が造った料理は北の大自然、素材の力を感じさせてくれますので、ぜひお出かけください。

『はなれ 味重』
札幌市中央区南3条西3丁目 GDININGビル 1F
TEL 011-261-6999